犬の毛穴に寄生虫が!? 犬の毛包虫症について

『毛包虫(もうほうちゅう)症』という皮膚病を聞いたことがあるでしょうか?

 

毛包虫症とは?

毛包虫は、別名 “ニキビダニ” や “アカラス” とも呼ばれる寄生虫です。この寄生虫は、健常なワンちゃんの皮膚にもいます。

 

毛包虫症は、ワンちゃんの毛穴の中や脂の腺で毛包虫が過剰に増殖する感染症です。

寄生する動物によって毛包虫の種類も異なり、犬の毛包虫がヒトや猫に移ることはほぼありません。

 

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毛包虫症の症状

この病気は、普段から皮膚に住む毛包虫が毛穴で過剰に増殖することで起こります。

そのため、毛穴に一致した皮膚症状が特徴です。

 

<主な症状>

  • 皮膚のブツブツ(毛包に一致した丘疹)
  • 脱毛
  • 肌の黒ずみ(色素沈着)

 

ワンポイント! 

症状が長引くと、、

  • かゆみや赤み、かさぶたが認められる
  • 掻きむしって出血が求められる

 

<症状のでる部位>

口や目の周り、足先(特に前足)、背中

 

 

毛包虫症の診断

皮膚掻爬検査(スクレイピング検査)

犬の皮膚を擦り取る(スクレイピング)ことで、毛穴の深くに寄生している毛包虫を検出します。

擦りとった毛包虫は、顕微鏡で観察します。

 

毛穴の深くまで擦らなければならないので少し出血することがありますが、検出感度が高い検査になります。

 

抜毛検査

犬の毛を引き抜いて、毛にしがみついている毛包虫を検出する検査です。

掻爬検査と同様に、顕微鏡で観察します。

 

細胞診(スタンプ検査)

通常は皮膚表面の細菌感染を調べる検査ですが、稀に毛包虫が検出されることがあります。

同時に細菌感染まで行えることがメリットです。

 

皮膚生検

皮膚生検は、皮膚の組織を数mmほど切り取って細胞レベルの異常をみる検査です。

 

毛包虫の種類によっては、検出感度の高い「皮膚掻爬検査」でも見つからないことがあります。その場合は、皮膚生検も検討します。

毛穴の断面も顕微鏡で観察できるため、毛穴に住み着いた毛包虫を検出できます。

 

毛包虫症の治療

 

駆虫薬の投与

動物病院で、毛包虫を死滅させる駆虫薬も処方してもらえます。

 

<駆虫薬の種類>

  • 内服薬
  • 注射薬
  • 皮膚に垂らして使うスポットオン製剤

 

<治療効果の確認>

駆虫薬の使用により治癒することが多いですが、毛包虫症を助長する要因が潜んでいる場合、長期化することもあります。

治療効果の確認するために、皮膚掻爬検査を1ヶ月おきに行います。

 

この皮膚掻爬で、2回連続で毛包虫が確認されなければ治療終了です。

治療終了から12ヶ月間は、症状が再発しないか定期的にモニターすることも大切です。

 

2次的な細菌感染への対処

細胞診(スタンプ検査)で細菌感染も同時に見つかった場合は、この治療も行います。

抗生物質の内服薬・外用剤の使用、薬用シャンプーなどを使用します。

 

また、シャンプー療法は物理的に毛包虫を洗い流すこともできるため有効です。

 

発症の原因となる基礎疾患がないか調べる

毛包虫症は、犬の皮膚にもともと住んでいる毛包虫が、

なんらかの原因で爆発的に増殖している状態です。

 

そのため、毛包虫症を引き起こした要因がないかをきちんと調査します。

 

<検査方法>

血液学的検査、尿検査、画像検査など

 

<考えられる要因>

  • 内分泌疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)
  • 腫瘍
  • ステロイド剤やその他免疫抑制剤の使用  など