皮膚科ってどんな検査をするの?『皮膚科学的検査』の紹介

皮膚から様々な情報を読み取るのに、皮膚科学的検査はとても重要な検査です。

でも実際にどんな検査をするのか、みなさん知っていますか?

皮膚科ではこの検査によって、たくさんある鑑別診断から絞り込みを行い、
その子の皮膚で今何が起こっているのか調べることができます。

今回は、この皮膚科においてとても重要な「皮膚科学的検査」について紹介していきます。

 

皮膚押捺塗抹検査

皮膚押捺塗抹検査は、皮膚スタンプ検査とも呼ばれています。

その名の通り、皮膚に直接スライドグラスやセロハンテープを押し付け、皮膚の表面にいる細菌や酵母菌(マラセチア)を調べます。

実はこの皮膚押捺塗抹検査、皮膚科検査の中でもダントツで1番多く行う検査かもしれません。

 

毛検査

毛検査は病変のある部分から毛を数本抜き取って、顕微鏡で毛の構造を観察します。

毛の構造だけでなく、毛の成長サイクル(毛周期)を観察することで、脱毛の原因を特定できたりもします。

 

皮膚掻爬検査

皮膚掻爬検査は、鋭匙(えいひ)というスプーン状の器具で皮膚の表面を削り、皮膚の中にいるダニやカビを調べます。

同じように削っているようにみえて、実は見つけたいダニの種類によって、皮膚表面の削る範囲や深さを変えています。

 

ウッド灯検査

ウッド灯検査は、皮膚糸状菌というカビに感染している毛があるかどうかを調べる検査です。

ウッド灯を当てると、カビに感染している毛だけ蛍光に光ります。

この毛を顕微鏡で調べると、カビに感染し胞子に覆われた毛が確認できます。

 

細菌培養検査

細菌培養検査は、滅菌スワブを使って皮膚表面の細菌を採取し培養することで、どんな細菌が増えているのかわかります。

さらに、その細菌にどんな抗生物質が有効なのか、人でも問題になっている多剤耐性菌かどうかもこの検査でわかります。

 

真菌培養検査

真菌培養検査は、カビ(皮膚糸状菌症)の原因菌を特定するための検査です。

皮膚糸状菌が毛に感染している場合、赤色の培地が黄色に変化し、白い綿毛のようなコロニーが確認できます。

 

まとめ

今回は犬と猫の皮膚科においてとても重要な「皮膚科学的検査」について紹介していきました。

超音波検査や眼科の検査に比べて地味な印象かもしれませんが・・・
このテープぺたぺたしてることも、実はとても重要な検査だとおわかりいただけたでしょうか?

ぜひ、診察の時もどんな検査をしているのか覗いてみてください。